2021年11月21日

アオリイカ

アオリイカ
アオリイカ posted by (C)yamanao999
(閉眼目 ヤリイカ科)

アオリイカは美しいですね。
食べても美味いし、釣っても楽しい。

来年はもっと釣れるように頑張りたいです。
まずマイ竿を買わないと…なにがいいのかさっぱりわかっておりません。。


石川県
posted by yamanao999 at 14:40| 石川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 頭足綱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月17日

アオイガイ

アオイガイ
アオイガイ posted by (C)yamanao999
(タコ目 カイダコ科)

荒波が増えるこれからの季節に向けて、下見を兼ねて散策しました。
あわよくばこの日に結果を得たい、と願って散策を開始したところ、開始して10分経たぬうちに目的のひとつであった「アオイガイ」の殻を発見!状態はあまりよくありませんでしたが大きくてカタチがはっきりしたもので、実物を触るなどしてとても参考になりました。

その後、追加で発見したい一心で6つの海岸を歩き回りましたが、最初の発見以降はめぼしいものは見つからず、風が強くて砂に足を取られる散策は修行そのものでした。。


石川県
posted by yamanao999 at 18:15| 石川 ☁| Comment(0) | 頭足綱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月18日

ホタルイカ

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

今年は取材はお休みして、子どもを連れて掬う事に挑戦してみました。
昨年までの取材の様子を聞かせていたら、今年こそ行きたいとうるさいので、連れて行くとなると撮影は難しいですし、一緒に掬った方が楽しそうだったのでそれに徹しました。

しかし、今年は悪天候続きだったり、山間部の積雪量が多く、なかなか安定した数があがらない感じです。この日はすごく頑張って(約20,000歩くらい歩いた…)、なんとか208杯(数えた…)の漁獲に成功しました。掬っているあいだ、複数持参したバケツ内で砂やゴミを良く吐かせてからクーラーボックスにしまいました。これは以前、富山の名人より伝授していただいた、美味しく食べる為の必須事項です。

ホタルイカの下茹で
ホタルイカの下茹で posted by (C)yamanao999

家に着いたのは朝方4時半過ぎ。すぐに子どもをベットで寝かせ、そこから下ゆでを開始…。ホタルイカをザルに入れて水でよく濯ぎ、塩を適度に入れて沸騰させたお湯に約2分半ほど入れて、茹で上がった後はすぐに水で冷やして冷蔵庫で保管しました。上の写真は1ドンブリに約100杯入ってます。初めてやった事もありもたもたと1時間半ほどかけて下処理を終えました。そして1ドンブリを弟家族にプレゼントしました。

生姜醤油の煮付け
生姜醤油の煮付け posted by (C)yamanao999

これを一週間かけてじっくりゆっくり、生姜醤油で煮込んだり、酒蒸しにしたり、温めてマヨネーズに付けるなどなど、主にお酒のツマミとして毎日子どもと楽しみました。採ってきたホタルイカはスーパーの様な臭みは殆ど無く絶品でした。

反省点は眠いから怠りましたが、できれば茹でる前に目玉を取っておいた方が様々な料理に使いやすいと思いました。また機会を見つけては、年に一度は子どもとイカ掬いを楽しみたいものです。勿論取材もまたやりたいです。
posted by yamanao999 at 23:59| 石川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 頭足綱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月19日

ダイオウイカ

ダイオウイカ
ダイオウイカ posted by (C)yamanao999
(開眼目 ダイオウイカ科)

昨年、TV番組で大迫力の映像で一躍注目を浴びたダイオウイカが、今年は地元スーパーに並びましたw

今年はこのダイオウイカをはじめ、リュウグウノツカイやサケガシラなどが相次いで水揚げされており、イカはホオズキイカの一種やユウレイイカまでもが北陸から新潟の海で確認されており、深海の状態の異変を感じます。
一方で富山名物であるホタルイカは昨年の5分の1程度の漁獲量で不漁。地元スーパーでは兵庫県産が並んでいます。

地元スーパーに幻の深海巨大生物が並ぶのはなんとも不思議な光景でしたが、身近で見て触れる事ができてとてもありがたい機会でした。
臭いは氷づけになっていた為なのか、よく言われているアンモニア臭は感じず、濃厚なイカ臭がする印象でした。
最近富山の漁協の方が食べて「イカ特有の歯応えはなく、塩辛く、塩の塊を食べているようでおいしくない」
とコメントしたのがとても気になり、実際に食べてみたくなっています。

多くの買い物客が携帯電話やスマートフォンで記念に写真撮っていました。
せっかくの機会なので僕も混じって撮りました。


石川県金沢市
posted by yamanao999 at 22:35| 石川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 頭足綱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月14日

ホタルイカ

ホタルイカ捕獲風景 2013
ホタルイカ捕獲風景 2013 posted by (C)yamanao999

3月1日、富山湾では今年もホタルイカ漁が解禁された。
多くの方が、昨年の大不漁の記憶から、
不安と期待が入り混じりながらのスタートとなった様に思います。

ホタルイカ捕獲風景
ホタルイカ捕獲風景 posted by (C)yamanao999

僕にとって3年目のホタルイカ取材となる。
当時、大震災発生から半月程度経過した時期で、
AMラジオで震災関連の情報を聴きながら、
緊迫しつつ、様々な想いを廻らせて現地へ向かった事を思い出す。

ホタルイカ捕獲風景 2013
ホタルイカ捕獲風景 2013 posted by (C)yamanao999

今年最初に取材に出掛けた3月10日の移動中に聴いていた
AMラジオからは、震災から2年経過する企画番組が放送されてり、
当時の事をいろいろと思い出した。
当時は津波で悲しい歴史を刻んでしまった直後だった為、
海で撮影する事に少し躊躇う気持ちを抱きつつ、
明るく活力のある話題が持てたらと考えていたのだ。

ホタルイカ捕獲風景 2013
ホタルイカ捕獲風景 2013 posted by (C)yamanao999

満天の星空の下、好条件の富山湾岸には多くの人が訪れる。
家族連れも多く、子ども達も真剣な眼差しでホタルイカを探し始める。

量より質
量より質 posted by (C)yamanao999

多くの捕獲者の中で、「名人」はアイテムを見るとすぐに判る。
この日お話した方は、着くなりバケツ6個に海水を満たし、
テキパキと準備を終えて言う。
「量より質。」
捕獲中からバケツ内において砂やゴミを吐かせ、
その後クーラーボックスに投入していくのである。
捕獲中の手間暇を考えると大変ですが、
後処理を考えると効率がとても良い。
こうした方の多くは自分だけが楽しむのではなく、
友人親戚にプレゼントする目的もあり、
その配慮から捕獲中も最善を尽くしている。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

月が落ちたあたりから徐々にイカの姿が見られる様になる。
しかし、なかなか理想的な数は見られない。

名人のバケツ
名人のバケツ posted by (C)yamanao999

名人のバケツに徐々にホタルイカが増加してきた頃、
「向こうで上がっとる様子やから、行って見た方がいい。」
と情報をいただき、様々なスナップを撮りながら
向かった先では既に「身投げ」が始まっていた。



ホタルイカ身投げ風景
ホタルイカ身投げ風景 posted by (C)yamanao999

昨年は最後まで縁に恵まれなかった身投げ風景が、
目の前に広がって見えた。
ブルーサファイヤと満天の星空が共演した。

…写真的にもっと数が欲しかったが、欲は言ってはいけないw
今期の週末においては最大となる身投げだったと思う。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

ホタルイカは全身・目の辺り・脚先が発光するのですが、
身投げ風景でメインとなるのがこの脚先だ。
星空に擬態しているという。
したがって曇天時や月の光が明るいうちは
なかなか数は望めない。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

浜に打ち上げられ、驚いたホタルイカが足を回すように発光する。
発光しながら波に押され戻されるものが
写真ではブルーサファイアが流れる美しい風景として表現される。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

程なく発光は止み、打ち上げられたホタルイカは動かなくなる。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

そしてしばらくすると力を失い、

打ち上げられたホタルイカ
打ち上げられたホタルイカ posted by (C)yamanao999

砂の衣を纏い、浜に溶け込んでしまう。

友人
友人 posted by (C)yamanao999

今年は友人である及川氏が取材に同行。
及川氏とは2年前からこの日の取材の約束を交わしていた。
20年来、生きたホタルイカと身投げ風景を見たかったとの事で、
スケジュールなどの確定にはベストを尽くした。
限られた時間の中で身投げ風景をお見せする事ができ、
とてもホッとしました。

ホタルイカ身投げ風景
ホタルイカ身投げ風景 posted by (C)yamanao999

そして、いつもより長く感じた身投げのピークが終わろうとしている。
目を凝らせば、無数のホタルイカが海岸に転がって見える。
富山湾に生息するホタルイカの宿命である。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

捕獲しに集まる人の中には、タバコやゴミを捨てたり、
大きな声をあげたり、叫ぶ子どもを黙らせない親や、
車から大音量の音楽を流すなど、
モラルが低下気味な人間も存在している。
海岸沿いには民家も並んでいるところが多くあり、
こうして素晴らしい恵みを後世に伝え、楽しみを継続したければ、
やはり周囲に気を配らねばならない。
子ども連れはマナーを伝える絶好の機会である。

朝焼け風景
朝焼け風景 posted by (C)yamanao999

とうとう朝になってしまいました。
赤い背景に立山連峰のシルエットが見える中、
最後まで捕獲していた方々も一斉に撤収を始めます。
まだ諦められない数名の方は、海に光を当てながら
なんとも名残惜しそうな様子です。
僕たちももうひと湧きに期待していましたが…。

打ち上げられたホタルイカ
打ち上げられたホタルイカ posted by (C)yamanao999

明るくなると、打ち上げられたホタルイカがはっきり姿を現します。
既に乾燥して固くなりつつあるものばかりです。

ホタルイカ身投げ、翌朝の様子
ホタルイカ身投げ、翌朝の様子 posted by (C)yamanao999

そしてそれらを狙う奴等が、

朝のカモメ
朝のカモメ posted by (C)yamanao999

空から一斉に舞い降りてくる!

トビ
トビ posted by (C)yamanao999

一番強そうなこの方に関しては、丁寧に少しづつ千切っては食べている。
カモメなどと異なり、クチバシのサイズが小さいからだ。
打ち上げられた食材は豊富なので、食べにくい脚などは残し、
次の食材にありついている様子が見られる。

ほたるいかにぎり
ほたるいかにぎり posted by (C)yamanao999

捕獲した人たちは朝帰ってから、寝る前に「処理」をしている事だろう。
ボイルして冷凍、あるいは巣干ししたり、煮たり焼いたり…。
僕は前日、及川さんと共に寿司を楽しんだ。
スーパーで販売されているものはやや臭く、
途中で嫌になってしまう事もあるが、
新鮮なものは格別に美味しい。

富山ブラック
富山ブラック posted by (C)yamanao999

ホタルイカ捕獲&撮影前には「富山ブラック」で体力増強をすると、
朝までピンピンして取り組めるかもしれません。
せっかくなので、試しに食べてみてはいかがでしょうか。
…楽しい思い出のラーメンになる事は間違いありませんw

身投げ後の浜
身投げ後の浜 posted by (C)yamanao999

今年もあっという間に季節は初夏へとシフトしていきます。
今年も地元の方にはとてもお世話になり、心より感謝すると共に、
この写真と記事はお世話になった方々や昨年まで
「イカプラス」に掲載したものをお読みいただいた読者には
特に見ていただきたいものです。

まだ、撮ってみたい絵コンテがあるので、
それはまたのおたのしみとしてとっておくとして、
一度はカメラを置いて、採って料理する事も体感したいです。

改めて、富山の自然は実に豊潤であると実感する。
来年もまた、同じ風景や多くの笑顔に出会いたい。

この写真と記事は、
2013年3月10日と4月13日に取材したものを編集しました。


富山県
posted by yamanao999 at 23:57| 石川 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 頭足綱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月05日

ホタルイカ

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

「いない」観察に 勤しむ

 3月2日、地元の新聞に「明るい春、ホタルイカ豊漁」という見出しが躍った。富山湾に春の訪れを告げるホタルイカの定置網漁が、今年も解禁になったようだ。ホタルイカ漁で有名な滑川市の滑川漁港では、昨年の3倍以上の水揚げがあったとのことで、昨年を超えるホタルイカの撮影ができそうだと、期待に胸を膨らませて出発の機会を伺った。
 季節風が吹き荒れる3月の下旬、まずは初戦に臨む感覚で富山湾に車を走らせた。昨年の同じ頃に大規模なホタルイカの身投げと、それをすくい取る地元の人々の賑わいを目の当たりにした自分としては、イカが波打ち際に姿を見せないようなシーンも経験しておきたかったので、あえて強風での撮影に臨んだ。
 現地に到着して、すぐに「いない」と直感した。気温と月齢はさほど悪くなかったが、駐車場がガラガラだったからだ。車を停めて浜に出てみると、強い風で舞い上げられた砂粒が激しく顔に当たった。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

一応期待して行ったり来たり観察しているうちに、ポツポツとホタルイカが波打ち際に姿を見せるようになった。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

浜に打ちあがった個体は、砂嵐に晒されて、砂の衣をまとって次々と絶命した。そんな個体を数十パイ拝んでこの日は終了。まさに「いない」観察を体験できたので、これはこれで満足な初日であった。


豊漁から不漁の年に転落

 4月も半ばとなり、再び現地へ向かう。月齢は下弦で、空は雲で覆われていた。風はやや強めで、この日もダメモトのつもりで出かけた。この頃より、好調な出だしを見せたホタルイカの水揚げが、昨年比の約半分まで落ち込んで不漁に転じたと報じられるようになった。不漁の理由は記録的な大雪なのか?河川から大量の雪解け水が富山湾に注ぎ込んでいるため、産卵を行なう上層の水温が低過ぎると報道されていた。産卵の条件を満たさないのだから、接岸する個体数も少ないというわけだ。

漁船光跡
漁船光跡 posted by (C)yamanao999

 過去のデータを調べてみると、6年前に記録的な不漁という記事を見つけた。2006年といえば、“ 平成18年豪雪”の年である。「今年は厳しいかもしれないなぁ…」などと嘆きながら挑んだこの夜は、前回とほぼ同じぐらいの個体が確認できる程度であった。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

 打ち上げられるのは既に息絶えた個体ばかりで、発光すら見られなかった。自然や人々に冷静に向き合えるので、「いない」観察は多く経験しておくほど後に役立つと思っているが、二度三度と「いない」が続くと、さすがに辛くなってくる。僕が精力的に撮影している昆虫や小動物にしても同じである。「こうしたパターンって、続くものだよな…」と、悪い予感を募らせた。

ホタルイカ掬い風景
ホタルイカ掬い風景 posted by (C)yamanao999

 4月下旬の新月を迎えた。そろそろ絵コンテを描いていた写真を撮りたいところだ。さすが豊漁率が高いとされる新月回り。週末と重なったこともあって、海岸は身投げを待つ大勢の人で賑わっていた。気温や風などの条件もよく、初めてホタルイカすくいを経験する学生さんをはじめ、遠方からも多くの人が来ているようだ。僕も一年間想い描いてきた絵コンテを完成させたかった。

ホタルイカ掬い風景
ホタルイカ掬い風景 posted by (C)yamanao999

 しかし、しかしである。いくら待ってもホタルイカは現れなかった。

眠る人
眠る人 posted by (C)yamanao999

 朝方には濃い霧に包まれ、人々の明かりが滲んで何とも幻想的な世界が広がった。これ以上ない好条件の夜だったのだが、散々な結果に終わる。果たして悪い予感は的中した。
 しかし、ホタルイカすくいは任せておけという地元の常連さんや、ホタルイカを撮影している写真家の方々から、興味深い話をたくさんしていただいた。結果はどうあれ足を運んでよかった。シーズンになったら浜に通い詰めるという地元の方によれば、この日より少し前に、青い光が波打ち際一直線に現れるぐらいの素晴らしい「身投げ」があって、久しぶりに豊漁だったと。満面の笑みで話してくれたので、こちらも嬉しくなって聞き入った。

上級者アイテム
自作アイテム posted by (C)yamanao999

溜まったゴミ
溜まったゴミ posted by (C)yamanao999


身投げないまま 閉幕間近

 まともに撮影ができないまま、ついにゴールデンウィーク。大潮回りとはいえ満月なので発生条件はいまいちではあったが、やれることはやっておきたいという一心で現地へ向かった。さすがに大型連休とあって、海岸沿いには多くの車が駐車してある。しかし、海に立ち込んでホタルイカを探している人は疎らだった。多くは車内で眠り、好機となる朝方の満潮を待っているのだろう。
 しかし、自然とは脚本どおりに進まないもの。この日は僕が赴いた中で月齢を除いて好条件揃いの日だったが、見かけたホタルイカの数は一番少なかった。

ふぐ
ふぐ posted by (C)yamanao999

 気になったのはフグ。波打ち際を揺らめきながら無数に泳いでいた。
フグならバケツいっぱい獲れたであろう。

ヨコエビ目の一種
ヨコエビ目の一種 posted by (C)yamanao999

 また、トビムシの仲間がたくさん浜で活動していた。

ホタルイカ掬い風景
ホタルイカ掬い風景 posted by (C)yamanao999

 こうして大不漁のまま2012年のホタルイカシーズンが幕を下ろそうとしている。ゴールデンウィーク明けに原稿を書いているのだが、身投げが期待できそうなのは、残すところ5月下旬の新月回りぐらい。本当に今期はこのまま終わってしまうのだろうか。
 ホタルイカの身投げに遭遇する確率が高い日に関しては、いろいろいわれている。新月の満潮時がよいとか、生温かい南風が柔らかく吹く夜がよいなど様々。長きにわたって海岸に通っている方々から伺った情報なので「率」と表現するのは失礼かも知れない。とはいっても絶対条件ではないので、気分に任せて旅やドライブに出かける気分で繰り出すと、非日常的な世界が広がっていてなかなか面白い。何度か足を運ぶうちに、ホタルイカすくいも、釣りや昆虫採集といった自然を相手に楽しむ遊びと同じだと実感できるはずだ。多くのローカル誌が、幸運にもいっぱい採れたといった話題がほとんどを占める中、こうした不漁を直視した記事もなかなか存在しないので、面白いのではないだろうか。


街中のホタルイカを探す

 ホタルイカに恵まれない日が繰り返される中で、幾度か滑川の街中を散策。もうひとつのホタルイカを探した。それは滑川の街中のいたるところで見られるオブジェやイラスト。僕は子どもと2人で見つけるたびに大いに盛り上がった。少し探すだけでも、いっぱい見つかる。

ようこそ滑川へJR滑川駅前JR滑川駅前道路案内標識ほたるいか看板ほたるいかミュージアムほたるいかミュージアムライトをつけよう!
ほたるいか群遊海面公園通りお店看板電話BOXJR滑川駅にてのるmy car路面イラスト滑川市マンホール蓋タクシーのりば


 実物と巡り会えなかった翌日は釣りに興じるのもアリだが、ホタルイカにまつわるオブジェを探しに興じるのも面白いものだ。ホタルイカやシロエビを豊富に使った土産モノなどを買い求めながら滑川の街中をブラつくだけで、あっという間に時間が過ぎていく。特に子供連れの方におすすめしたい。

路面イラスト路面イラスト路面イラスト路面イラスト滑川市マンホール蓋路面イラスト路面イラスト滑川市マンホール蓋漁風景壁画ほたるいかについて滑川市案内看板路面イラスト公園通り不法投棄禁止看板魚津水族館 記念スタンプ路面イラスト


 僕はホタルイカの観察と撮影を始めて、まだ二年目。素人同然なので、地元の方の温かさには心より感謝している。来年もまたお会いできればと思っている。

ホタルイカの身投げ
ホタルイカの身投げ 2011 posted by (C)yamanao999

 春の最高の息抜きとなるホタルイカ探しの旅は、毎年恒例の楽しみとなりそうだ。富山の自然は実に豊潤だ。今年がダメでも来年がある。


豪雪の年と不漁

 近年のホタルイカの水揚げ量を調べてみたところ、昭和59年(五九豪雪)〜昭和62年(特に昭和61年は大不漁、六一豪雪)、平成13年(平成13年豪雪)、平成18年(平成18年豪雪)、平成24年(平成24年豪雪)が不漁だった。ほとんどが特別な大雪の年と重なっていることが分かる。

t o y a m a
t o y a m a posted by (C)yamanao999
※写真は2012年1月22日のもの。この後、記録的大雪となった。

 他の生き物にも積雪は少なからず影響しているはずだ。

ニホンツキノワグマ
ニホンツキノワグマ posted by (C)yamanao999

ちなみにツキノワグマの目撃件数が少なかった年が、平成17年、21年、23年。一概にはいえないが、データを見る限り、大雪になる前年の出没が少ない。つまり、ツキノワグマの目撃件数が少ない翌年は、ホタルイカが少ない可能性が高い。
 昆虫や両生類に関しては食物連鎖の下位に位置するので、発生時期とエサの有無、産卵場のコンディション、外敵の濃淡、温度や雨量など、多くの条件が関係し、年ごとに確認できる数は大きく変動する。ホタルイカも同じようなものではないだろうか。こうした種の増減については、今後も自然との関連性を踏まえて探
っていきたいと考えている。近年増加傾向にある自然災害なども密接に関係しているように思う。

2011年9月18日、JR東京駅


 暮らしの発展によって自然に対する感覚は低下する一方ではあるが、地球を相手に楽しく遊びながら調べていきたい。

■ホタルイカ不漁の年
1984〜 1987年(昭和59〜62年)
※特に昭和61年が463トンで最も不漁。
1991年(平成3年)
※前年3500トン超に対して1250トンまで急落。
 平成4年は約3800トンまで再び増加。
1997年(平成9年)1000トン以下
2001年(平成13年)1000トン以下
2006年(平成18年)約580トン
2012年(平成24年)?トン


東海・北陸のイカ釣り情報誌「イカプラス 2012年 08月号」に掲載しております。地域限定誌ですが、全国的に人気のある貴重な情報が豊富な内容となっております。ぜひ、あわせてお読みいただけましたら幸いです。
次号秋号(vol.9)は2012年9月21日発売予定。イカ好きの方にはホント、オススメの一冊です!

posted by yamanao999 at 23:37| 石川 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 頭足綱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月02日

ホタルイカ

ホタルイカ狩りの風景
ホタルイカ狩りの風景 posted by (C)yamanao999

4月初旬の週末の夜、仕事で疲れて眠かったが、
どうしても一度見ておきたい光景があったので、勢いに任せて車を走らせた。
富山湾では、春の風物詩である「ホタルイカの身投げ」が始まっていた。

現地に到着したのは午後10時半頃だっただろうか。
普段の閑散とした雰囲気とは裏腹に、
まるで海水浴シーズンのように駐車場という駐車場は車であふれかえっていた。
果たして海浜は大勢の人で賑わっていた。
まるで街の明かりの夜景の様な風景を目の当たりにした。
これはすべてホタルイカを採りに来られた人たちのライトである。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999
(ツツイカ目 ホタルイカモドキ科)

人だかりに交じって僕もホタルイカを探してみた。
慣れないうちは姿が確認できず、潮の読みを誤ったか、
すでに採り尽くされてしまった後かと不安になる。

時が流れて人影が疎らになってきた頃、気づくとユラユラと波打ち際に数ハイ。
注意深く辺りを見渡すると、物凄い数のホタルイカが浅瀬に泳ぎ着いていた。
ホタルイカの身投げが始まったのだ。

ホタルイカ
ホタルイカ posted by (C)yamanao999

深夜になり、人が疎らになって来た後に
再度ピークがきた。凄い数のホタルイカが浅瀬で固まって泳いでいる。
普段は深海に生息しているが、晩春から初夏までの産卵期には
こうして富山の海浜でたくさん見る事ができる。
それを多くの人たちが採りにやって来ている。
網を入れたらもう、数回掬えば重さでしなっていた。

20110402_04.JPG

普段のホタルイカは深海に生息しているが、
産卵期を迎えると海面近くまで浮上する。
そして、その一部が海浜に打ち上げられる。
それを多くの人たちが採りにやって来る。
まさにホタルイカは、地元の方々にとって海の恵みなのである。

人の会話に耳を傾けていると、あちらこちらから
「採りすぎたー」とか「お父さん、もう要らんちゃー」
という会話が聞こえてくる。
人間の欲深さが見え隠れしている。
可哀想だから、あんまし採るなと思う人もいるだろうが、
放っておいても写真のように打ち上げられてしまう。

最初は戸惑って身投げしたホタルイカを海に戻したりしていたが、
ひとつ摘んで踊り食いをしてみた。

 「うまい…」

高校の頃、バイト先の料理屋では、
春になるとホタルイカ料理がメニューに加えられた。
中でも踊り食いは当時の僕にはとても目新しく映った。
シラウオは知っていたけれど、こんなデカいものを…
と敬遠していたが、実に美味しい。
食道を通過したぐらいで、寄生虫(旋尾線虫)がいるから
確認しないまま生で食べるのはやめておけと
バイト先で言われたことを思い出した。
ホタルイカを踊り食いする人は、
イカを熟知している方々にはいないと思う。
くれぐれも注意していただきたい。

ホタルイカの身投げ
ホタルイカの身投げ posted by (C)yamanao999

ホタルイカといえば発光。
浜に打ち上げられた個体は、青色発光ダイオードのように美しく光っていた。
威嚇しているのであろうか。
浜に打ち上げられてしばらくすると光は消え、命も失う。
この行為を「ホタルイカの身投げ」と呼んでいるが、
ホタルイカは意図して行っているハズもなく、
最後まで海に戻ろうと必死であった。

深夜2時、数々の青い光と、
まだ多くのホタルイカ採りを楽しむ人のライトが遠くまで見えた。
知らないオヤジさんに「地元の新聞に出すんか?」と聞かれ、
何度も露光中に思いっきしライトを照らされてしまったが、
これもまた良き思い出となるのだろう。
初めて撮影に臨んだわりにホタルイカの生態や
それを採る人々の様子もカメラに納めることができ、
幸運だったと富山の自然に感謝している。

20110402_05.JPG

春の風物詩、ホタルイカの身投げは、
地元の方々にとっては一大イベントである。
お年寄りから小さな子どもまでが、
とても楽しそうにタモ網でホタルイカを掬っていた。
真っ暗な海浜で家族が一丸となって事にあたる恒例行事。
御馳走となって食卓に並び、一家団欒を楽しむ光景が目に浮かぶ。

良き思い出となって後世に伝え続けていくのだと思う。
こうして捕獲して食べることによって、
食のありがたみも大切にするきっかけとなるであろう。
今回、僕は天然ホタルイカの初見と、それの撮影目的のみでこの地を訪れた。
きっと周りからは「変なヤツだね〜」と思われていたと思う。
けれど無理して行った甲斐があったなぁ。
この記事を書いている今、スゴク眠いケド、また行きたいな。


富山県

※イカプラス 2011年夏号に掲載されました。
 それに伴って、一部変更しております。
posted by yamanao999 at 15:15| 石川 ☁| Comment(11) | TrackBack(0) | 頭足綱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする