ホタルイカ捕獲風景 2013 posted by (C)yamanao999
3月1日、富山湾では今年もホタルイカ漁が解禁された。
多くの方が、昨年の大不漁の記憶から、
不安と期待が入り混じりながらのスタートとなった様に思います。
ホタルイカ捕獲風景 posted by (C)yamanao999
僕にとって3年目のホタルイカ取材となる。
当時、大震災発生から半月程度経過した時期で、
AMラジオで震災関連の情報を聴きながら、
緊迫しつつ、様々な想いを廻らせて現地へ向かった事を思い出す。
ホタルイカ捕獲風景 2013 posted by (C)yamanao999
今年最初に取材に出掛けた3月10日の移動中に聴いていた
AMラジオからは、震災から2年経過する企画番組が放送されてり、
当時の事をいろいろと思い出した。
当時は津波で悲しい歴史を刻んでしまった直後だった為、
海で撮影する事に少し躊躇う気持ちを抱きつつ、
明るく活力のある話題が持てたらと考えていたのだ。
ホタルイカ捕獲風景 2013 posted by (C)yamanao999
満天の星空の下、好条件の富山湾岸には多くの人が訪れる。
家族連れも多く、子ども達も真剣な眼差しでホタルイカを探し始める。
量より質 posted by (C)yamanao999
多くの捕獲者の中で、「名人」はアイテムを見るとすぐに判る。
この日お話した方は、着くなりバケツ6個に海水を満たし、
テキパキと準備を終えて言う。
「量より質。」
捕獲中からバケツ内において砂やゴミを吐かせ、
その後クーラーボックスに投入していくのである。
捕獲中の手間暇を考えると大変ですが、
後処理を考えると効率がとても良い。
こうした方の多くは自分だけが楽しむのではなく、
友人親戚にプレゼントする目的もあり、
その配慮から捕獲中も最善を尽くしている。
ホタルイカ posted by (C)yamanao999
月が落ちたあたりから徐々にイカの姿が見られる様になる。
しかし、なかなか理想的な数は見られない。
名人のバケツ posted by (C)yamanao999
名人のバケツに徐々にホタルイカが増加してきた頃、
「向こうで上がっとる様子やから、行って見た方がいい。」
と情報をいただき、様々なスナップを撮りながら
向かった先では既に「身投げ」が始まっていた。
ホタルイカ身投げ風景 posted by (C)yamanao999
昨年は最後まで縁に恵まれなかった身投げ風景が、
目の前に広がって見えた。
ブルーサファイヤと満天の星空が共演した。
…写真的にもっと数が欲しかったが、欲は言ってはいけないw
今期の週末においては最大となる身投げだったと思う。
ホタルイカ posted by (C)yamanao999
ホタルイカは全身・目の辺り・脚先が発光するのですが、
身投げ風景でメインとなるのがこの脚先だ。
星空に擬態しているという。
したがって曇天時や月の光が明るいうちは
なかなか数は望めない。
ホタルイカ posted by (C)yamanao999
浜に打ち上げられ、驚いたホタルイカが足を回すように発光する。
発光しながら波に押され戻されるものが
写真ではブルーサファイアが流れる美しい風景として表現される。
ホタルイカ posted by (C)yamanao999
程なく発光は止み、打ち上げられたホタルイカは動かなくなる。
ホタルイカ posted by (C)yamanao999
そしてしばらくすると力を失い、
打ち上げられたホタルイカ posted by (C)yamanao999
砂の衣を纏い、浜に溶け込んでしまう。
友人 posted by (C)yamanao999
今年は友人である及川氏が取材に同行。
及川氏とは2年前からこの日の取材の約束を交わしていた。
20年来、生きたホタルイカと身投げ風景を見たかったとの事で、
スケジュールなどの確定にはベストを尽くした。
限られた時間の中で身投げ風景をお見せする事ができ、
とてもホッとしました。
ホタルイカ身投げ風景 posted by (C)yamanao999
そして、いつもより長く感じた身投げのピークが終わろうとしている。
目を凝らせば、無数のホタルイカが海岸に転がって見える。
富山湾に生息するホタルイカの宿命である。
ホタルイカ posted by (C)yamanao999
捕獲しに集まる人の中には、タバコやゴミを捨てたり、
大きな声をあげたり、叫ぶ子どもを黙らせない親や、
車から大音量の音楽を流すなど、
モラルが低下気味な人間も存在している。
海岸沿いには民家も並んでいるところが多くあり、
こうして素晴らしい恵みを後世に伝え、楽しみを継続したければ、
やはり周囲に気を配らねばならない。
子ども連れはマナーを伝える絶好の機会である。
朝焼け風景 posted by (C)yamanao999
とうとう朝になってしまいました。
赤い背景に立山連峰のシルエットが見える中、
最後まで捕獲していた方々も一斉に撤収を始めます。
まだ諦められない数名の方は、海に光を当てながら
なんとも名残惜しそうな様子です。
僕たちももうひと湧きに期待していましたが…。
打ち上げられたホタルイカ posted by (C)yamanao999
明るくなると、打ち上げられたホタルイカがはっきり姿を現します。
既に乾燥して固くなりつつあるものばかりです。
ホタルイカ身投げ、翌朝の様子 posted by (C)yamanao999
そしてそれらを狙う奴等が、
朝のカモメ posted by (C)yamanao999
空から一斉に舞い降りてくる!
トビ posted by (C)yamanao999
一番強そうなこの方に関しては、丁寧に少しづつ千切っては食べている。
カモメなどと異なり、クチバシのサイズが小さいからだ。
打ち上げられた食材は豊富なので、食べにくい脚などは残し、
次の食材にありついている様子が見られる。
ほたるいかにぎり posted by (C)yamanao999
捕獲した人たちは朝帰ってから、寝る前に「処理」をしている事だろう。
ボイルして冷凍、あるいは巣干ししたり、煮たり焼いたり…。
僕は前日、及川さんと共に寿司を楽しんだ。
スーパーで販売されているものはやや臭く、
途中で嫌になってしまう事もあるが、
新鮮なものは格別に美味しい。
富山ブラック posted by (C)yamanao999
ホタルイカ捕獲&撮影前には「富山ブラック」で体力増強をすると、
朝までピンピンして取り組めるかもしれません。
せっかくなので、試しに食べてみてはいかがでしょうか。
…楽しい思い出のラーメンになる事は間違いありませんw
身投げ後の浜 posted by (C)yamanao999
今年もあっという間に季節は初夏へとシフトしていきます。
今年も地元の方にはとてもお世話になり、心より感謝すると共に、
この写真と記事はお世話になった方々や昨年まで
「イカプラス」に掲載したものをお読みいただいた読者には
特に見ていただきたいものです。
まだ、撮ってみたい絵コンテがあるので、
それはまたのおたのしみとしてとっておくとして、
一度はカメラを置いて、採って料理する事も体感したいです。
改めて、富山の自然は実に豊潤であると実感する。
来年もまた、同じ風景や多くの笑顔に出会いたい。
この写真と記事は、
2013年3月10日と4月13日に取材したものを編集しました。
富山県
なんとか規模が大き目の身投げ風景をお見せする機会となりホッとしましたが、欲を言えばやはりもうひと湧き欲しかったですねw
今回の経験を活かすべく、2年後にまたお会いできたらうれしいです!