
ホタルイカ狩りの風景 posted by (C)yamanao999
4月初旬の週末の夜、仕事で疲れて眠かったが、
どうしても一度見ておきたい光景があったので、勢いに任せて車を走らせた。
富山湾では、春の風物詩である「ホタルイカの身投げ」が始まっていた。
現地に到着したのは午後10時半頃だっただろうか。
普段の閑散とした雰囲気とは裏腹に、
まるで海水浴シーズンのように駐車場という駐車場は車であふれかえっていた。
果たして海浜は大勢の人で賑わっていた。
まるで街の明かりの夜景の様な風景を目の当たりにした。
これはすべてホタルイカを採りに来られた人たちのライトである。

ホタルイカ posted by (C)yamanao999
(ツツイカ目 ホタルイカモドキ科)
人だかりに交じって僕もホタルイカを探してみた。
慣れないうちは姿が確認できず、潮の読みを誤ったか、
すでに採り尽くされてしまった後かと不安になる。
時が流れて人影が疎らになってきた頃、気づくとユラユラと波打ち際に数ハイ。
注意深く辺りを見渡すると、物凄い数のホタルイカが浅瀬に泳ぎ着いていた。
ホタルイカの身投げが始まったのだ。

ホタルイカ posted by (C)yamanao999
深夜になり、人が疎らになって来た後に
再度ピークがきた。凄い数のホタルイカが浅瀬で固まって泳いでいる。
普段は深海に生息しているが、晩春から初夏までの産卵期には
こうして富山の海浜でたくさん見る事ができる。
それを多くの人たちが採りにやって来ている。
網を入れたらもう、数回掬えば重さでしなっていた。
普段のホタルイカは深海に生息しているが、
産卵期を迎えると海面近くまで浮上する。
そして、その一部が海浜に打ち上げられる。
それを多くの人たちが採りにやって来る。
まさにホタルイカは、地元の方々にとって海の恵みなのである。
人の会話に耳を傾けていると、あちらこちらから
「採りすぎたー」とか「お父さん、もう要らんちゃー」
という会話が聞こえてくる。
人間の欲深さが見え隠れしている。
可哀想だから、あんまし採るなと思う人もいるだろうが、
放っておいても写真のように打ち上げられてしまう。
最初は戸惑って身投げしたホタルイカを海に戻したりしていたが、
ひとつ摘んで踊り食いをしてみた。
「うまい…」
高校の頃、バイト先の料理屋では、
春になるとホタルイカ料理がメニューに加えられた。
中でも踊り食いは当時の僕にはとても目新しく映った。
シラウオは知っていたけれど、こんなデカいものを…
と敬遠していたが、実に美味しい。
食道を通過したぐらいで、寄生虫(旋尾線虫)がいるから
確認しないまま生で食べるのはやめておけと
バイト先で言われたことを思い出した。
ホタルイカを踊り食いする人は、
イカを熟知している方々にはいないと思う。
くれぐれも注意していただきたい。

ホタルイカの身投げ posted by (C)yamanao999
ホタルイカといえば発光。
浜に打ち上げられた個体は、青色発光ダイオードのように美しく光っていた。
威嚇しているのであろうか。
浜に打ち上げられてしばらくすると光は消え、命も失う。
この行為を「ホタルイカの身投げ」と呼んでいるが、
ホタルイカは意図して行っているハズもなく、
最後まで海に戻ろうと必死であった。
深夜2時、数々の青い光と、
まだ多くのホタルイカ採りを楽しむ人のライトが遠くまで見えた。
知らないオヤジさんに「地元の新聞に出すんか?」と聞かれ、
何度も露光中に思いっきしライトを照らされてしまったが、
これもまた良き思い出となるのだろう。
初めて撮影に臨んだわりにホタルイカの生態や
それを採る人々の様子もカメラに納めることができ、
幸運だったと富山の自然に感謝している。
春の風物詩、ホタルイカの身投げは、
地元の方々にとっては一大イベントである。
お年寄りから小さな子どもまでが、
とても楽しそうにタモ網でホタルイカを掬っていた。
真っ暗な海浜で家族が一丸となって事にあたる恒例行事。
御馳走となって食卓に並び、一家団欒を楽しむ光景が目に浮かぶ。
良き思い出となって後世に伝え続けていくのだと思う。
こうして捕獲して食べることによって、
食のありがたみも大切にするきっかけとなるであろう。
今回、僕は天然ホタルイカの初見と、それの撮影目的のみでこの地を訪れた。
きっと周りからは「変なヤツだね〜」と思われていたと思う。
けれど無理して行った甲斐があったなぁ。
この記事を書いている今、スゴク眠いケド、また行きたいな。
富山県
※イカプラス 2011年夏号に掲載されました。
それに伴って、一部変更しております。
しかし、キレイですよね、この時期の富山湾って。青く光ったホタルイカが実にキレイですし。
ウチのいいんちょー先生が当たったことあるけど、ベラボーに腹が痛くなるそうです。まぁ、筋肉に寄生している場合は肉眼で見えるらしいので、今度から良く見て食べましょう(W
しかし、綺麗ですな。今からでも撮りに行こうかな〜。
明日、富山の義妹のところからホタルイカが届く予定になっております。
やはり家族で獲りに行くそうです。
ホタルイカの昆布〆とボイル。
自分はボイルした方が好きです。
さて
スゴい写真です!
相変わらずの安定した腕前にほれぼれです。
泳ぐホタルイカなんて初めて見た(笑)
相当な数のホタルイカが打ち上げられるのもなんとなく悲しくなります。
イカ綺麗ですね♪私も食べたい派ですがほんのりの光がキレイだから、実際見たくなりました(^_^)v
でも寒いんですもんね…(-"-;)
春は確実に近くに来ているのですね♪
僕も昔から見てみたいのがホタルイカで
未だ見ていません。
そのうちそちらに見に行くかもしれません。
うらやましいです。
mahalitoさん>お店のは、確認しているって事なんでしょうかねw; まぁ、喰ってしまったものはしかたありません。症状が出たらマハさんに取ってもらいますw
Takaさん>それぞれの家族がバケツ1〜2杯パンパンに持って帰っていたので、きっとご近所やご親戚にお配りしているのかなーって思っていましたが、そっか、Takaさんのウチにも届いているんですね、ホタルイカw 小さいからこそな歯ごたえと味のしみ方は格別ですよね。写真は耳付近にLEDライトを当てながら右手のみで撮影しているのですが、やはりヘッドライトは買おうと思いましたw; できれば水中にカメラを沈めて撮ってみたい、そんな絵コンテを浮かべながら撮影していたのが、最後までしっくりこなかった原因ですw
蝦夷型さん>か弱いイカが波に負けて打ち上げられる様はやはり切ないものでした。一見、青色で美しい風景ですが、静かな海岸に「ぷちゅ〜。」と打ち上げられた際に水を吹く音があちこちから聞えてきます。しかし、これはこのイカの宿命であり、それでもこんなたくさんの数が生息しているという事で、しかたのない事なんだと感じました。
あゆさん>気温は約7度くらいあったでしょうか。こちらとしては暖かく感じる温度ですが、海沿いはやはり寒く感じました。見るだけなら厚着してたら全然平気ですよ。僕は波打ち際で寝転がって静止していたので、波で濡れて寒さが倍増しました。。プラス、花粉で鼻水ぶーですw
oikawaさん>タコじゃありませんが、きっとoikawaさんは楽しさのあまり徹夜となると思いますw 見ても、喰っても、撮っても楽しいので、眠くなくなります。翌日、予定がなければ車中で御泊りして、朝の風景を確認したかったのですが。ぜひ、いらして下さい。ご案内役は、私、城達也が...。もひとつ余談ですが、本種なのに「ホタルイカモドキ科」ってところも面白いのですw
それはさておき、今度是非うかがいたいと思います。ホタルイカを見るのは、実は子供の頃からの夢の一つだったのです。船に乗らないと見れないとばかり思っていました。このようなスティエーションなら思い切り観察できそうです。ホント面白そうです。今は無理ですが、日本に戻った時は計画してみたいと思います。
oikawaさん、やはり一時帰国が早めにご予定となっているのでしょうか。ホタルイカの見頃は3月下旬頃〜5月上旬頃となっており、その中で月齢の細い日で暖かい日が良いとされております。光りに寄ってくる虫の観察と同じ感覚です。その時期に間に合わない様でしたら、滑川市というところに「ほたるいかミュージアム(http://www.hotaruikamuseum.com/)」という施設があります。やや入場料は高い気もしますが、保険ですw このあたりでは今頃から5月初旬にかけて、蜃気楼も見えます、運が良ければw;
船はやはりこの滑川のほたるいかミュージアムのものは5月初旬頃までとなっております。(http://www.hotaruikamuseum.com/museum/sea_tours.htm)他、新新(http://www.shinminatokankousen.jp/kankousen/kankousen.html)などでもやっている様です。船は船ならではのシーンが見られる様です。僕も興味ありです。
お帰りの際はご一報いただけましたら僕がタクシーになります。
ちなみに僕の向かったこの浜は、神通川河口付近。かつてイタイイタイ病のあった地でこの様な盛況ぶりが、ひとつとても興味深かったです。
今年はもう無理そうなので・・・来年は行ってみたいです
北国新聞は・・・ 私のマイミクさんもっ時々出してますよ〜♪ 確かに甲子園的ですね(笑)
僕は新聞には載らないと思いますが、アンダーグラウンドシーンで頑張りますw